床だけ、切り出して請けます
設計事務所・工務店・リノベーション会社・管理会社の皆さまへ。
床研磨の機材と職人を自社で抱えている会社は、ほとんどありません。かといって張り替えを前提に見積もると、工事全体の金額が跳ね上がる。「この床、研げますか」の一言をいただければ、写真と図面で判断してお返しします。
引き受ける形
床だけを切り出した一工種として請けます。内装工事の一部でも、床だけの単独工事でも。元請けさまの名前で納めます。現場に当社の名前を出していただく必要はありません。
研磨と塗装は分けません。仕上げの番手が塗料の浸透深さを決めるため、工程を分けて渡すと仕上がりが安定せず、責任の所在も曖昧になります。機材だけの貸出は行っていません。欠損部の補作は、合う材が手元にあれば自社で挽くことも可能です。
対応エリアは近畿一円です(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)。それ以遠もご相談ください。移動の実費を加算させていただきます。
研げる床と、研げない床
先に線引きをお伝えします。判断がつかない場合は写真で見立てます。
- 無垢フローリング(総厚12mm以上が目安)
- 挽き板(表層の厚みによる。数回は可)
- リノリウム、VCT、Pタイル、LVT、長尺塩ビ、ラバー(削って塗り替える方法があります)
- 突板(表層0.2〜0.6mm)、シート貼り、プリント合板 ―― 削る層がありません
- 総厚12mm未満のもの
- マンションの直貼り遮音フローリング
削れるのは、実(さね)の上に残っている層だけです。同じ12mmでも、これまでの研磨歴、釘やステープルの位置、反りによって、残っている削り代は変わります。回数は現地で実測して判断します。
研げないとお伝えするときは、必ず代わりの案と一緒にお出しします。部分補修、上から重ねて貼る、貼り替える ―― 条件によって現実的な選択肢は変わります。
見積の進め方
現地調査を前提にはしていません。図面と写真で、おおよその見立てとご予算の幅をお出しします。お見積りは無料です。
ただし次の場合は、現地調査をお願いしています。
- 着色・色変更がある(木地まで削る前提になります)
- 床の構造や残り厚みが不明
- 木地に達した損傷・深いシミ・ペット尿
- マンションの遮音仕様・管理規約が未確認
- 広範囲、または意匠の核になる床
現地調査では、写真では読めない数字を測ります。いちばん大きいのは残り厚みです。無垢か挽き板か、いま何ミリ残っているか。ここが決まらないと、あと何回研げる床なのかが分かりません。
調査のあと、床の来歴書を発行します。実測値、これまでの手入れ歴、いま必要な最小十分の介入、そして今回はしなくてよいこと。次に見るべき時期まで書きます。現地調査と来歴書の発行は有償です。本工事をご発注いただいた場合は、その一部を工事代金に充当します。工事をされない場合も、来歴書はお手元に残ります。「いまは手を入れる必要がありません」という結論も、私たちにとっては仕事です。
数量は着工日に実測して確定します。図面の面積と実物が食い違うことは、古い建物ではよくあります。
金額は、面積だけでは決まりません。同じ㎡数でも、洗って塗り直すだけで済む床と、削って色を入れ直す床は、別の工事です。どの処置で足りるかを見極めるところから、私たちの仕事です。
面積が小さいほど、㎡単価は上がります。養生も機材の搬入も、10㎡でも100㎡でも同じだけかかるからです。見積を固定費と面積あたりの費用に分けてお出しするのは、そこを隠さないためです。
研げない床は、研げないとお伝えします。そのときは代わりの案 ―― 部分補修、上貼り、貼り替え ―― を、費用と工期を並べてお返しします。できないことをできないと言うほうが、結果として早く着地します。
費目の切り分け
見積が細かいのは、どこに何がかかっているかを先に見えるようにするためです。
| 施工 | ㎡単価(研磨+塗装)。数量は着工日の実測で確定します。 |
|---|---|
| 諸経費 | 移動・宿泊・養生・廃棄物処理など。遠方は実費を映します。 |
| 現地調査・来歴書の発行 | 現地調査をお願いする場合。ご発注いただいた場合は、その一部を工事代金へ充当します。 |
| 試験研磨・色サンプル | 別途。不確実性を先に潰すための独立ステップです。 |
| 打合せ同行・施主説明の同席 | 人日で別途いただきます。 |
| 休日・お盆・年末年始の施工 | 割増をいただきます。率は全案件で共通です。 |
割増は値上げではなく、引渡しを守るための費用とお考えください。始業や開店に間に合わせるために動ける、という提供価値です。
現地調査・来歴書の発行・打合せ同行・施主説明の同席といった役務は、日額×人日に経費を乗せて積算しています。日額は国土交通省の公共工事設計労務単価を基準にしています。ご予算の調整は、単価ではなくスコープ(範囲・仕様)で承ります。
書面と支払
- 注文書・注文請書での書面契約(建設業法19条)。口頭・メールのみでは着工しません
- 着手金として工事金額の3分の1を目安にお願いしています。材料の先行仕入れがあるためです
- 支払サイトは暦日で取り決めさせてください(「発注者からの入金後」ではなく)
- 工事に伴って出る廃棄物(研磨粉・養生材)は、廃掃法上の排出事業者である元請けさまの処理ルートを前提としています。当社は集塵・分別・ご指定場所への搬出までを行います。当社側で引き取る形をご希望の場合は、廃棄物の区分と搬出条件(廃掃法21条の3第3項の要件)を個別に確認したうえでご相談させてください
- 見積書・ご契約書類の作成のため、正式な工事名称と建設業許可番号をお伺いします
床の来歴書
来歴書は、一度きりの報告書ではありません。その床に手が入るたびに、行が増えていく台帳です。私たちは木にも来歴書を出しています。どの山から来て、いつ挽かれ、どう乾かされたか。床も同じ考え方で記録します。
| 現地調査のとき | 樹種と構造。残り厚みの実測値。既存塗装の状態、損傷の深さ、これまでの手入れ歴。いま必要な最小十分の介入と、今回はしなくてよいこと。次に見るべき時期。 ―― 発行は有償です(ご発注時は、その一部を工事代金へ充当) |
|---|---|
| 工事が終わったとき | 今回落とした厚みと、いま残っている厚み。使った塗料と番手。次に手を入れるまでの目安。日常の手入れの仕方。 ―― 工事代金に含みます |
| 次に手が入るとき | また一行、書き足します |
床は工事が終わってからが長い材料です。この紙は、物件を手放すとき、次の方へ引き継ぐとき、次に床へ手を入れる職人へ渡すときに効きます。あと何回研げる床なのかが、書いてあるからです。
削り代は、その床が持っている財産です。どれだけ使って、どれだけ残っているかを記録しておくのは、次に判断する人への申し送りになります。
手入れには段があります ―― いちばん上は、住む方の手の中に
床に手を入れる強さには、四つの段があります。
| 日常 ―― 住んでいる方の手で | 乾拭き。2週に一度ほど、薄めた洗剤で水拭き。半年に一度ほどワックス。 削る量はゼロです。 |
|---|---|
| リフレッシュ ―― 当社/協働 | 専用機で洗います。削りません。必要に応じて再塗装。 削る量はゼロです。 |
| リコート ―― 当社 | 軽研磨と再塗装。一晩で終わることが多い工事です。 削る量はごく僅か。 |
| リノベーション ―― 当社 | ドラムサンダーで研ぎ直し、塗り直します。 1回あたり0.8mm前後を落とします。 |
いちばん上の段は、私たちが行かない段です。そして、いちばん効きます。日常の手入れが続いている床は、洗浄やリコートで済む回数が増え、ドラムサンダーの出番が減ります。削り代が残ります。
手入れは、床の寿命を延ばすのではなく、床の残高を減らさない行為です。逆に、手を入れないまま黒ずみが木地まで入ると、落とすのに深く削るしかありません。一度の放置が、一回分の削り代を消します。
引渡しのとき、手入れの言葉をこちらでご用意します。無垢の床を引き渡すとき、業界は「定期的にオイルを塗ってください」と言います。ところが、オイルの床と暮らした経験のないまま引き渡されることが多い。だから助言が二方向に外れます。重すぎて実行されない(「オイルを塗る」は住む方には工事に聞こえます)か、曖昧すぎて誤って実行される(市販の樹脂ワックスを塗ってしまう)か。
手入れの道具と、その場で1㎡だけやってみせる5分を、引渡しに組み込めます。缶を渡すだけでは、たいてい使われません。
設計・工務店の皆さまにとっては、引渡し後の問い合わせが減ります。「ベタつく」「黒ずんできた」の多くは、手入れの方法が伝わっていないことから来ています。
事例の掲載について
施工後、当社サイトに事例として掲載させていただく場合があります。掲載前に必ずご相談します。
- 施設名・社名を伏せた形でも掲載できます(例:「大阪市内のカフェ・約23㎡」)
- 元請けさまの事例として使っていただく場合、当社の記録写真をお渡しします
- 掲載しない、という選択もお受けします
床は工事が終わってからが長い材料です。どんな床に何をして、何をしなかったかを残しておくことは、次にその床へ手を入れる人への申し送りにもなります。
実際の事例は施工事例のページにまとめています。仕上がりの写真だけでなく、何を選び、何を選ばなかったかまで書いています。
お送りいただきたいもの
- 床の写真 ―― 全体1枚/気になる箇所の寄り/斜めから光を当てた1枚(艶と傷の深さが読めます)
- 図面 ―― 竣工図・品番・仕様書があれば
- 面積、または間取り
- 仕上げのご希望 ―― オイルかウレタンか。着色(色を変える)はあるか
- 期限 ―― 引渡し・退去・開店など、動かせない日
記録に残した仕事は、削る量の少ない順に一覧にしています。
研げないとお伝えした床も入れています。
症状から探す
| 無垢フローリングの研磨 | 拭いても落ちない黒ずみ・シミがある |
|---|---|
| 洗浄リフレッシュ | 全体的にくすんで、足裏がベタつく |
| 一晩で蘇るリコート | 細かい傷が増えて、ツヤが引けてきた |
| 杉床の研磨 | 表面がささくれて、靴下や雑巾が引っかかる |
| 研磨と張り替えの比較 | 張り替えるべきか、直せるのか迷っている |
| コルクタイルの研磨・再生 | コルクタイルが傷んできた |
| リノリウムの研磨・再塗装 | リノリウムの床を塗り直したい |
| 複合フローリング研磨の注意点 | 複合(突板)フローリングだが研磨できるか知りたい |
よくある質問から探す
施工前に気になることは、だいたい皆さん同じです。
うちの床は削れるのか、費用はいくらか、住みながらできるのか、においは残るのか。
実際にいただいたご質問への答えを、一つずつ記事にしています。
| うちの床は削れますか? | 合板やシート貼りの見分け方と、研磨できない理由、その場合にとれる手立てをご説明しています。 |
|---|---|
| 張り替えと研磨、どちらを選べばいいですか? | 費用と工期、そして仕上がりの違いを並べて比べています。 |
| そもそも研磨と再塗装は、どんな工事ですか? | 床を研いで塗り直すまでの流れを、ひととおりまとめています。 |
| この床は、あと何回削れますか? | 無垢・挽板・突板・シートで、削り直せる回数がどう違うのかを書いています。 |